夏休みが始まる。
こんにちは、Otamaです。
今日は一学期の最終日、次女の高校の終業式でした。
昨晩は 「いかなあかん」 と、意気込んでいた次女。
担任の先生に頼まれていたものを渡すためでした。
今朝、とりあえず次女の部屋に彼女を起こしに行きました。
あくまでも期待はしないようにして。
やんわりと「今日はどうする?」と聞きました。
次女は眠い目をこすりながら
「ごめん、いかへん。」
と言って泣きそうな顔で私を見たのです。
私は「はいよ。」と軽く返事をしてキッチンに戻り、旦那と自分の朝食の準備をしました。
今日は返事をするのが精いっぱいで明るく笑ってあげられなかった。
もう私も限界が来ていたから・・・。
そう、うちの子は不登校。
それは中学時代から始まりました。
そんな不登校児の母である私はアラフィフのしがないパートタイマー。
次女は兄、姉がいる三人兄妹の末っ子です。
食事を終え仕事へ行く前にひとつ小さな溜息。
学校に電話をかけなきゃ。
”おはようございます。1年〇組の△△です・・・”
いつものように担任の先生を呼び出してもらいます。
担任の先生は私たち親子を応援してくれているあたたかい人。
いつものように明るい声で、お母さん、大丈夫ですよ!と声をかけてくださる。
「今日、仕事終わりに学校のほうへ本日提出期限の書類と、先生に頼まれていたものが仕上がってますのでお持ちします」、と約束を取り付けました。
私は昼過ぎに仕事を終え、学校に向かいました。
事務室で先生を呼び出してもらい、エントランスで待っていると部活中の生徒たちがたくさん私の前を通りすぎていきました。
チームメイトや友達と楽しそうに話しながら歩いていくたくさんの高校生たち。
彼らがとてもキラキラして見えた。
この子たちは青春真っただ中なんだなぁ・・・なんて思いながらそのまぶしさに見とれていました。
そして同時に
どうしてうちの子は、この中の一人じゃないのだろう
うちの子にもこんな学生生活を送らせてあげたい・・・
そう思うと景色がじんわり滲んで見えなくなってしまいました。
こんな場所で・・・あほやなぁ、私。
と思ったとき、暑い中ニコニコしながらうっすら汗をにじませた先生が駆けつけてくださった。
「いつもお世話になります」
慌ててたくさん瞬きをして視界を取り戻し、先生に挨拶をし、次女から預かったものを先生に渡しました。
それはイラストで文化祭のパンフレットに載せるものでした。
絵が得意な次女に、先生たちが依頼してくれたのです。
細やかでかわいらしく描けたイラストを、先生は「おおぉ!」と声を上げ、ものすごく褒めてくださり喜んでくれました。
親の私から見てもすごく上手に描けていたものだったので私も嬉しくなりました。
先生は次女に、すごく良く描けているとお伝えください、と言ってくれました。
そもそもこのイラストはきっと先生が、次女とクラスメイトたちとの接点を無くさぬよう描かせてくれたのだと思います。
絵を描くのが好きな次女の、唯一自信が持てるもの。
次女のイラストの中にはクラスのルームナンバーもモチーフとなって描かれていました。
先生はいつも
「次女さんは自分のためには頑張れないけれど、だれかのためには頑張れる子なんです」
と言ってくれるのです。
文化祭のイラストは、”クラスのみんなの為に”と描かせてくれたのだと思います。
このやさしさの塊のような担任の先生を見ているとまた泣きそうになってしまいました。
喉の奥のヒリヒリした痛みをぐっと我慢しながら、今朝の次女の様子を先生に伝え、私はこの夏休みに考えていることを話すことにしました。
「次女に心療内科と精神科を受診させようと思っています。」
先生は真剣にこちらを見てきちんと話ができるよう、場所を変えましょう、と部屋を用意してくれました。
病院へ行ってどうにかなるものではないかもしれない。
先生にも本当に良くサポートしていただいているのですが、でももう私が限界で、先生に言われたように、次女をしっかり褒めて、すごく応援しているのに、だんだん自分自身が嘘くさく思えて、どう接すればいいのかわからなくなっています。
それに私には言わないのですが、兄や姉には「学校辞めたい」と言っているようです。
そう話しながら、年甲斐もなく私は先生の前でボロボロ泣いてしまったのです。
先生は
「お母さんはよく頑張られています!きっと大丈夫です。病院もなにか彼女にとって突破口になるかもしれない。今、次女さんは正しい判断ができていないだけで、きっと学校は辞めないですよ。お母さんが応援し続ける限り大丈夫です。僕も夏休み、何度か家庭訪問させていただきます。次女さんの顔を見に行きます!また戻ってこれるよう、引き続き頑張りましょう。」
と力強く言ってくれました。
先生に励まされ、涙をぬぐいながら
「私、実は今日、家出したい気分だったんです・・・。仕事が終わっても家に帰りたくなくて、どこか一人でものすごく遠くへ行きたくなっていました。」
先生「わかります!!」
(先生、まさかの共感。あぁ、先生にもそんな風に思うことがあるんだなぁ・・・)
私「それに子育てで『よく頑張ってる』なんて褒められることがないので、今、すごく元気がでました!先生、ありがとうございます。子供だけじゃなくて私まで褒めてもらえるなんて・・・先生にエネルギーチャージしてもらえました。」
先生は笑ってくれていましたが、本当にここへ来る前と違い、話を聞いてもらった後の私の気持ちはふんわり軽くなっていたのです。
そしてどこに寄り道するでもなく、先生の言葉を反芻しながらまっすぐ家にたどりつきました。
リビングにはソファにもたれながら、タブレットで絵を描いている次女がいました。
「ただいま~」
「おかえり」
学校にイラストを届けたことを伝えると、次女は小さな声で「ありがとう」と言ったのです。
先生がすごく喜んでくれていたこと、うまく描けているとめちゃめちゃ褒めてくれていたことを伝えたら、次女は少し恥ずかしそうに笑顔で頷きました。
そして私もうんうん、と微笑みました。
不登校の次女の気持ちを理解したい。
そして私も親として強くなりたい。
そんな想いでブログを始めました。